■レオナルド・レイチ(アリアンシ)
ブラジルの柔道ナショナルチームに所属する、柔道家でありながら、柔術の大会で快進撃を続ける興味深い選手である。もちろん、柔術・柔道ともに黒帯。この選手の柔術大会での試合はまさに柔道家としてのスタンスを貫く。まず、柔術特有の腰を低く保った構えをしない。まっすぐに立った、柔道スタイル。組んだら、投げる。容赦なく、投げる。かついでパス。寝技も柔術特有の柔らかさを持った技の攻防というよりは、やや振り回す勢いの荒い力技に近い。柔道の場合は早い段階で「待て」がかかるので、寝技のチャンスがあるとすかさず極めに(固めに)入らないといけない。ゆえに強引さが出る場合があるのだが、彼の場合まさにそのまま。そんな試合を大会でするので、対戦相手の柔術家は口をそろえて「こいつにだけは負けたくない」と言うらしい。大会会場の雰囲気も彼が出る試合はまさに目の敵状態。そんな状態でも勝つ。強い。上記の柔術大会の成績を見て欲しい。どうだろう、誰が見てもすばらしい成績ではないか。’03年のコパドムンド決勝戦ではあの、ファブリシオ・ヴェウドゥム選手を破って優勝している。(’03ムンジアル決勝戦でもヴェウドゥム選手と対戦。このときは負けている。)彼はなぜそうまでして柔道スタイルにこだわるのか。それは、柔道家が柔術の技を役立てているように、柔術家も柔道の技を役立てるべきと考えてるからだ。是非、今後もオリジナルスタンスを貫き、色々な大会での活躍を期待!!